通訳案内士は楽しくて魅力的でやりがいのある仕事だと聞きます。
実際に仕事をしていて、どんなことが楽しく、やりがいを感じますか?
そんな疑問にお答えします。
過去6年間の経験を振り返り、仕事のやりがい、魅力や楽しさをお伝えします。
通訳案内士のやりがいや魅力と楽しいところ
通訳案内士のやりがいと魅力や楽しさは、下記の通りです。
国内で世界のお客様をおもてなし
通訳案内士のやりがいや魅力は、日本にいながらにして世界各国からの旅行者のお役に立てるところです。
わたしは英語ガイドですが、英語を話すゲストであれば国籍関係なく、ネイティブスピーカー以外のお客様ともご一緒できます。
これは、英語ガイドならではの楽しみです。
おそらく中国語の通訳ガイドさんであれば、お客様の大半は中国語が母語で、韓国語やフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語その他の言語でも事情は同じかと思います。
英語ガイドの場合、ゲストの母国がタイやロシア、ポルトガルであれ、お客様が英語を理解される限り呼んで頂ける可能性があります。
日本にいながらにして世界中のゲストのお役に立てることは、大きな魅力でやりがいです。
身体ひとつで操業できる
通訳案内士の魅力は、何といっても身体一つあれば、日本全国どこでも仕事ができることです。
- 店舗や事務所、商品の在庫を抱える負担がありません
- 依頼主は日本のみならず、世界各国に存在します
- 従業員を雇う必要もありません
何かの事情で今いる場所に住めなくなったとしても、日本国内なら転居先で就業できます。
身体が資本なので、常に健康への気配りは欠かせませんが、旅行者がいる限り日本全国どこでも必要として頂けるなんて、こんなに魅力的な職業があるでしょうか。
別の資格制度でたとえば、小中学校や高校の教職員の場合だと...
公立の小中高等学校の教員免許では、採用試験に合格した都道府県でしか正規の勤務ができません(地方公務員のため。学校事務も同じく)
※私立や非常勤講師はこの限りではありません
国家資格を持つ全国通訳案内士は、その点は解決がしやすいですね。
基本的にフリーランスにはなりますが、住む場所が変わっても家族の理解と協力さえあれば、仕事は続けられます。
季節を肌で感じられる
通訳案内士の魅力と楽しみは、季節を肌で感じられるところです。
観光地は季節や天気の移ろいとともに、日々刻々と変化しています。
春夏秋冬の花や風物や行事など、毎年の繰り返しに見えたとしても、この世に全て同じ一日というのは存在しません。
一生に一度のとある日をゲストに楽しんで頂くべく、お役に立てたとすれば、それは通訳ガイドにとって大きなやりがいです。
行きたくない場所へ行ける
「行きたくない場所」と書くと、語弊があるのですが...
通訳案内士の楽しいところは、自分が行きたい場所ではない所へ行けることです。
単なる旅行者であれば、普通は自分が行きたい場所へ行きます。
ところが通訳案内士は、ゲストの旅をお手伝いする立場で、自分としては思いも寄らなかった場所へ行く幸運に恵まれることがあります。
もしも自分が行きたい場所にしか行かない人生であれば、そこで体験することは全て自分の範囲内でしょう。
- 通訳案内士は、本人ですら想像もしなかった場所へご用命いただき、自分の想像を超える体験ができる魅力的な職業です
- 下見と添乗を含め、この仕事に就かなければ一生訪れなかったであろう、国内各地を訪れることができました
それを思うと、やはり魅力的で楽しく、やりがいある職業です。
(わたしは九州が拠点なので、主に九州と中国・四国エリアでの話)
様々な人と出会える
通訳案内士の魅力と楽しさは、世界各国からのお客様・お取引先など、多種多様な方々と出会えるところです。
- ゲストは富裕層であったり、社会的な地位が高かったり、何かの専門家であったり、その道を極めた人物にお会いしやすい傾向にあります
なおかつ...
- 観光に際しては施設の従業員やドライバー、旅行会社の社員や経営者...など様々な方と幅広くお会いでき、お仕事の機会に恵まれます
「出会い」といっても、お客様やお取引先は日々入れ替わるため、常に「密な交流」といった風でもないのですが...
その時々でゆるやかな繋がりを持ちながら、旅のお手伝いができる通訳ガイド職に、わたしは魅力とやりがいを感じています。
フリーランス的な働き方が嫌でなければ、やりがいの感じられる環境だと思います。
やりがいや魅力があって楽しい通訳ガイド
通訳案内士のやりがいと魅力と楽しさは、他にもありますよ。
人種を越えて人の温かさに触れられる
通訳案内士の魅力とやりがいは、人種や国籍を越えて人の温かさに触れられることです。
- お客様も通訳ガイドも生身の人間なので、時には意思のすれ違いがあったり、思わぬ誤解に悩まされることだって、もちろんあります
- それでも、同じ人間どうし、予期せぬタイミングで人の温かさに触れた時など、本当に励まされます
外国人ゲストから優しくして頂いた思い出として
・観光地で口をカラカラにしながら説明していると、ペットボトルに入った新しいお水をそっと差しだして下さったお客さま
・平和関連の観光地で、肩に力が入っていたのか、腕や背中をお母さんのようにさすって下さったお客さま
(国によって見解の違いがあるため、平和関連は難しいです)
・うまくできなかったのでは、と密かに落ち込んでいたツアーの最後に、ありがとうのハグをして下さったお客さま
といった感じで、思い起こせばキリがありません。
文化や習慣は違えど、どの国の人も同じように温かい、と実感できた瞬間が何度もありました。
普段は立ち入れない場所に入れる
通訳案内士の仕事では、普段はあまり立ち入れない場所に入れて頂けることも魅力の一つです。
以前に、非公開の施設を間近で見るチャンスに恵まれました。
- 仕事で呼んで頂けた敷地内に一般非公開の施設があり、それを近くで目にした時は通訳ガイドならではの醍醐味を感じました
- 別の依頼では、憧れていた建物のバックヤードへ入れて頂けたこともあります
そんな時は、何かとても報われた気がしました。
そういった経験を通じて、やはり通訳案内士とは楽しくてやりがいある仕事だと思います。
時々は美味しいものを頂ける
通訳案内士の楽しみと言いますか...時々ですがお客様の末席で、美味しいものを頂けることがあります。
団体のお世話よりも少人数のお客様が、会話をしながら食事もしやすいです。
(※同席同食させて頂けても、諸々の業務で食事が思うほど進まないこともあるので)
それでも仕事とは言え、お客様と同じ席で同じメニューを頂ける場面はあるため、外国人ゲストと各種レストランを経験できることは、通訳ガイド業の魅力かもしれません。
日本を再発見できる
通訳案内士の魅力とやりがいは、外国人のお客様の視点を通して、日本を再発見できることです。
他にも、下見やガイド業務で訪れる観光地では、「通訳案内士でなければ見落としていただろう」と思われる事象に気がつくようになりました。
外国人ゲストのよくある日本の感想として
・人が親切で礼儀正しい
・どの場所も清潔で快適
・道にゴミが落ちていない
などと言われます。
ガイドになる前はそれが当たりまえで、そんなに尊いことだと気がついていませんでした。
全ては書ききれませんが、その時々で何かと感じ入ります。
わたしの場合、国内育ちのため、お客様との時間から日本の常識が世界の常識ではないことを学んでいるようなものです。
自分の持ち味を活かせる
通訳案内士のやりがいは、ガイド業務に自分の持ち味を活かせるところです。
例えば、下記の業務ですね。
- 旅行中のガイド原稿は自分で全て考えます
- 旅程や食事場所の提案をすることもあります
- 各人に適するサービスを工夫して提供します
お客様やエージェントのご要望に合わせ、各人に適するサービスを考えるという点において、通訳案内士の仕事は個性や創造性を発揮できる魅力とやりがいがあります。
わたしは、組み合わせを考えたり、言葉で説明したり、創造性を発揮できる仕事に喜びを感じる性質で、通訳案内士でもその特質が活かせるので幸せでした。
もしも通訳案内士になっていなければ、日本について今ほど考える機会は無かったろうと思うので、わたしは私の人生が気に入っています。
ということで、まとめです。
- 世界各国のゲストの役に立てる
- 身体ひとつで操業できる
- 季節を肌で感じられる
- 想定外の場所へ行ける
- 様々な人と出会える
- 人種を越えた人の温かさに触れられる
- 普段は立ち入れない場所へ入れる
- 時々だが美味しいものを頂ける
- 日本を再発見できる
- 自分の持ち味を活かせる
上記のほかにも、説明しがたい楽しさや魅力、やりがいは沢山あります。
こんな感じで、今回は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。