このところ、通訳案内士（資格）が「いらない、必要ない」との意見が目につく気がします。
そこで思うのですが、「いらない」なら「不要」でいいんじゃないでしょうか。
当ブログ運営者は、ご依頼に応じて稼働する通訳案内士です。
もしまだ資格を持っていなければ、資格なしで外国語ガイドに挑戦していたかもしれません。
※この記事は、「無資格ガイド」になることを積極的にすすめる目的で書かれたものではありません。無資格だけど、それでも外国語ガイドになりたい方へ向けての内容となります。
通訳案内士いらない人は必要ないでいいんじゃないですか？
先にお伝えした通り、通訳案内士の資格が「いらない」と思う人なら、必要ないかもしれませんよね。
資格の有り無しにかかわらず、外国語で観光ガイドができれば法律的にも問題ないので。
（※ただし名称独占規制により「通訳ガイド」「通訳案内士」に類似する肩書は使えません）
資格を不要にした改正通訳案内士法
通訳案内士が要らないという本題に入る前に、近年なぜ資格が「必要ない」と言われるようになったのか振り返っておきます。
通訳ガイド国家資格ですが、取得することの「必要性はあるのか？」といった論題の大きなきっかけは、2018年施行の「改正通訳案内士法」でした
それにより、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、誰でも有償で通訳案内ができるようになりました
ただし、名称独占規制は存続しており、「通訳案内士」「通訳ガイド」並びに類似の名称を名乗れるのは国家資格ガイドのみです。
通訳案内士の資格がいらないサイトへの登録
以来2018年の改正通訳案内士法を受け、無資格でも登録可能なマッチングサイト（プラットフォーム）も増えつつあります。
また実際に国家資格なしで登録し、稼働される方も、少しずつ見られるようになりました
中には、独自の取り組みで高い評価を得ているガイドさんも、おられるようです。（５つ星を獲得するなど）
そこに収入も伴うとすれば、ますます資格取得の必要性は、感じにくくなるかもしれません。
資格の必要がないインバウンドのツアーガイド
資格が必要ないインバウンドのツアーガイドをしてよいとなると、無資格で積極的に挑戦したい人も、今後さらに出てくると思います。
『資格がなくてもインバウンドのツアーガイドになれる本』の著者の方など、その代表的な例でしょう。
この本では、国家資格なしで登録できるプラットフォームで、ツアーを造成・販売した体験が書かれており、資格が必要ない外国語ガイドに挑戦してみたい人にとって、大変に有益です
けれども本の内容自体は、「マッチングサイトなどのプラットフォームで、いつか自分独自のツアーを販売してみたい」と考える通訳案内士（有資格者）にとっても、大いに学べるところがあります。
特にオンライン需要が高まった現在、同じ著者の『オンライン体験の概要』『資格がなくても「旅行業」や「観光業」ができる本』も合わせて読むと、参考になります。
資格がいらないガイドでも必要とされるために
しかしながら、無資格ガイドで就業する場合、「国家資格ガイドより低賃金の稼働になるのでは？」という懸念もあるかと思います。
その問題については、自分で価格を設定できるプラットフォームに登録すれば解決可能です。
おそらく登録先では、国家資格ガイドと肩を並べて比較検討される立場にはなりますが、その人が何らかの価値を提供できるガイドであれば、資格の有り無しにかかわらず、ゲストもしくは会社から必要とされる存在になるでしょう
（全て国家資格ガイドについても同じことが言えます）
また、少し料金設定が低いのでは？と思われる募集については、「それを引き受けて何か金銭以外で得られるものがあるか？」で判断するとよいです。（新しい経験、スキルの取得・人脈・稼働実績など）
通訳案内士の名称独占につき要らないなら必要ないのでは？
上記の理由により、通訳案内士について、名称独占の通訳案内士を名乗れなくても気にならない方は、国家資格などいらないし必要性もないのではないでしょうか。
資格が不要でエントリーできる場所で挑戦する
近年は、「資格不要」の要項を掲げて求人を出す雇用主もいれば、逆に「資格必須」の条件で募集をかける雇用主もいます。
その際は、少なくとも資格がいらない募集にはエントリーできるわけで、「自分は資格なしでも挑戦したい」という気概があれば、何とか足がかりはできるように思います
当ブログ「ともみろく」運営者は、有資格の全国通訳案内士ですが、受験当時、無資格ガイドは有償の通訳案内をしてはいけない決まりでした
そのため、資格なしでインバウンドガイドになるという選択肢はありませんでした。
ですが、もしも国家資格が今も取れていなければ、無資格ガイドでも挑戦していたかもしれません。
資格の必要性がないインバウンドガイドについて
ところで資格がいらないインバウンドのツアーガイドについて、無資格ゆえに何か想定されうる課題はあるのでしょうか？
じつはその問題については、先にご紹介した『資格がなくてもインバウンドのツアーガイドになれる本』でも取り上げられていました
この本の著者は、ご自身の経験と真摯に向き合われ、自分で「ここは改善した方がよいのでは」と感じる点についても、包み隠さず丁寧に解説をしておられます
それもまた、資格の有り無しにかかわらず、インバウンドガイドなら誰でも、胸に留めておいた方がよい情報でした。
通訳案内士の資格はいらないと身をもって示す
業務独占規制が廃止になって年数を経た今、無資格でも応募できる求人やマッチングサイトも、以前に比べると見つけやすくなりました。
あるいは、すでに無資格ガイドを経験された方（例.前述の本の著者）によるノウハウ共有など、資格不要で行動するためのヒントも入手可能になりつつあります
そんなわけで、もはや「自分は資格がないからインバウンドガイドになれない」と諦める必要もなくなりました
ある程度の行動力と工夫を持ってすれば、資格不要の外国語ガイドとして、求められる人になれるはずです。
名称独占なしで無資格のポジションを取るなら
最後に、今あえて無資格で参入する意義ですが、一言でいうと「ポジションが空いている」ことだと思います。
というのは、2018年に業務独占規制が廃止されて以来、無資格ガイドで就業する人はいるものの、未だこれといって表舞台に躍進されたトップガイドさんがおられない気がするからです。（人知れず躍進されている無資格ガイドさんは一定数おられると思います）
もしも現在、あなたに国家資格がいらないとして、資格不要のガイドで就業したとします。
そこで通訳案内士に負けず劣らず経験を積み、必要とされるガイドになったとしたら？
「希少性」という価値も手伝い、通訳案内士の何倍も何十倍も、注目を集める存在になれると思いませんか？
そんなわけで、無資格でポジションを取るとするなら「無資格ガイドの黎明期」の今こそチャンスなのでは？と考える次第です。
当ブログ運営者は、すでに通訳案内士であるため、それを自分で実証できるチャンスがありません。
なので、あなたが資格を必要としないで活躍できる人であれば、その取り組みにとても興味があります
なおかつ、独自の方法で道を切り開かれる姿も見てみたいです。
現に今あなたが「通訳案内士なんて要らないし必要ない」と考えつつガイドを目指す人なら、そこで見いだせるチャンス（先行者利益）もあるかもしれません。
そんなあなたこそ、今からポジションを取りに行ってみてはどうでしょうか。
・『資格がなくてもインバウンドのツアーガイドになれる本』
・『オンライン体験の概要』
・『資格がなくても「旅行業」や「観光業」ができる本』
