通訳案内士に合格するまでの勉強法を知りたい人いますか?
通訳案内士になる際の、テキストや教材との向き合い方など気になりますよね。
この記事を書いているわたしは、全国通訳案内士です。地理・歴史・一般常識は3回受験し、全ての回で合格しました。
※わたしの受験時は「通訳案内士の実務」はありませんでした。
通訳案内士に合格までの勉強【テキストや教材との向き合い方】
通訳案内士の受験に際して、テキストや教材で勉強するのに気をつけると良いことです。
テキストでも文字を読む訓練を
通訳案内士の試験において、合格を目指すならテキストを「読むこと」は避けられません。
単語ひとつ覚えるにも、歴史上の人物、地理地名、出来事を認識するにも、通訳案内士に必要な教材を「読むこと」無しに受験準備はできないからです。
歴史地理、一般常識、旅行業に特有の用語に慣れる目的もあり、テキスト教材を読むことが苦手だと通訳案内士試験には不利かと思います。
音声や映像、画像などの教材を用いて通訳案内士の勉強はできますが、それらは文字による基礎知識があって初めて生きてくる勉強法だからです。
本番の国家試験では問題の文字数が膨大です。全国通訳案内士の場合、英語の問題用紙だけで例年10枚以上にのぼります。
日本政府観光局JNTOが公開している平成30年度・通訳案内士「英語」の過去問題用紙は全12枚でした。
通訳案内士の受験においては、問題用紙も活字だらけなのです。
というわけで、通訳案内士の受験対策では教材のテキストを通じ「読むこと」を鍛える必要があります。
通訳案内士を受験するにあたって「文字を読むことが嫌いでない」なら独学しやすいです。
通訳案内士の受験に必要な暗記
テキストで文字を読み蓄えた知識は、受験で設問に応じ思い出す必要があります。
覚えた知識が多ければ多いほど問題にあたる確率も高まるため、地理や歴史対策では教材の内容を全てを覚える勢いで暗記していきます。
受験対策の大部分を占めるのが「暗記」ということです。暗記とは、「思い出す練習」でもあります。
わたしは、休日など朝から晩まで、ひたすらテキストを替えながら文字を見て暗記に取り組みました。(教材を替えたのは飽きるのを防ぐため)
暗記は感情を無くして淡々と覚える作業にしました。勉強法は、まず歴史・地理の基礎となるテキストを一冊ずつ決め全体を読みます。
その後、基礎となる教材を覚えながら、やさしいテキストで知識を反復・補強するというものです。
基礎勉強には高校生向けのテキスト、副読本には小中学生の教材(イラスト多めの子供向けテキスト)を活用しました。
英単語は書いて暗記(無駄なら省こう)
単語は朝一番で書いて覚えました。
受験勉強を始めた頃、日本事象を表わす英語に無知だったのが恐怖で、単語暗記を優先したためです。
時間帯は午前中、書き取り&反復といった感じで、ルーティン化するのが効果的でした。
頭がスッキリしていて記憶しやすく、単語の対策は正午までの間がおすすめです。
毎日少なくとも1時間。可能であればそれ以上を費やし、多い時で1日に3~4時間単語の反復学習をしました。
時間の区切りは、自分のタイミングです。(その勉強が続く限りは止めず、飽きたり苦痛を感じたら別の科目や教材に移る)
単語はテキストを用いた日本事象の他に、英和辞書から通常の語彙も書き取り反復暗記。
単語は書いて覚えることに注力するあまり、腕が痛くなってちぎれるかと思いました。
英語も基本的には、感情を無くして淡々と覚える勉強法でした。
そうしないと限られた時間で教材暗記は無理だと考えたからです。
言葉を気持ちに乗せて覚える、など悠長なことをしている場合ではありませんでした。
最後には「左手も使えたら良いのに」と思ったりしました。(単語練習をもっとしたくて、左手でガタガタの文字を書いたこともあります…)
※わたしの受験時は英単語の筆記問題があったため、書いて覚えました。
現在は英単語の筆記は無くなっています。必要に応じて参考にしてください。(無駄と思うなら省いても大丈夫)
合格めざし教材で発語・発声
勉強法に変化をつけたく、地理と歴史は教材を声に出して暗記。
単語の練習で腕を酷使しており、テキストを書いて覚えるのは体力的にも既に無理でした。
地理と歴史のテキストは一切書き取りせず、発声して暗記する勉強法にしました。
わたしの場合、ノート作成は一切おこなっていません。ノートを作る手間が自分にとっては負担に思えたからです。
一般科目の自己得点は、平均30点からスタート。
受験を決めた時、通訳案内士試験まで1年を切っており、8~9か月くらいの準備期間しかありませんでした。
とうわけで、省ける手間は全て無くしたかったのです。それが自分にとっては「ノートを作らないこと」でした。
そして、一般科目は全て合格できました。(注.英語は不合格でした)
ということは、元の知識が乏しくても、集中して取り組めば地理・歴史・一般常識は短期間でも合格できる見込みがあるということです。
「これさえ覚えれば合格するんだ」と思えば、続けられる気がしませんか?
試験に受かったら、暗記した内容は忘れてもいいですよ。(と思えば、気が楽になります)
毎日続ける勉強時間は自ら作る
受験対策を始めた日から通訳案内士合格まで、勉強時間は意識的に作りました。
「時間ができたら勉強する」といった方法では永遠に受からないと思ったからです。
試験までの残り時間で合格すべく、あらゆる時間を受験につぎ込みました。
受験期間の中で集中度が高かったのは1年目でした。(志始めで気持ちが一番純粋だった。なので英語力が高い人は、勢いで初年度合格いけると思います)
本気で合格を目指しており、仕事と食事と入浴・睡眠以外はすべて受験勉強の日々でした。
受験以外は、ほぼ全て切り捨てました。
(※方法次第では食事と入浴の時間で勉強することは可能です。料理や洗い物の時間も活用できます。音声教材もありますからね)
その後、受験生活が長引き苦戦した時もあったのですが、淡々と続けて合格しました。
基本的には国家試験が優先の受験期間でした。
何かを手に入れるためには、何かを手放すことも時には大切だと思います。
偶然と幸運だけに頼らない
年度によって合格率の変動がありますが、この試験に対策をせず偶然や幸運のみで受かることは不可能と考えます。
科目免除を目指すにせよ、相応の準備をしなければ試験に落ちる可能性が高いです。
わたしは受験を決意した当初、「英語よりむしろ日本語科目に落ちるのでは」と心配でした。
必死に対策したせいか、日本語科目は受験した全ての年度で全科目クリア。
逆に英語は苦戦という経緯になりました。
受験者の事情も様々で、英語は難なく受かるのに歴史や地理の日本語科目が難しい場合も少なくないようです。
いずれにせよ、運や偶然のみで受かる試験ではないと言えます。
ですが、ひとつだけ幸運を引き寄せる方法があります。
それは「行動する」ことです。
受験対策を考えたり、勉強法を工夫したり、独学の方法を探ってみたり、...諦めず何かの行動を続ければ、成功は少しずつ近づいてきます。
そうやって通訳案内士の試験に合格した自分なので、確信を持ってお伝えできます。
通訳案内士に合格までの教材やテキスト、勉強以外のことでは?
通訳案内士に合格するため、勉強法の他に大切なことです。
テキストや教材以外で、対策をお伝えします。
食事と睡眠で体調を整えて受験を
人間の記憶の定着には、睡眠と栄養がとても必要なのだそうです。
覚えたことを効率的に保てるよう、眠りと食事は大切にした方が良いです。
睡眠と栄養は、受験対策の一環として意識的に取ってください。
これを基本に規則正しく受験勉強すれば体調が整い、合格にさらに近づくと思います。
規則正しくと言うのは...朝の決まった時間に起きて、食事時間も固定し、寝る時間も毎日ほぼ同じ時間帯という意味です。
時間割に関しては、わたしは身体と心のリズムに従いました。「飽きたら次。でも勉強は止めない」といった感じ。
どうしても時間確保したい場合、食事しながら勉強することは工夫次第で可能です。
適度な休憩で成功に近づく
休日など、仕事がない日は朝から晩までずっと勉強していました。
1分1秒も休まず受験に邁進は辛すぎなので、お気に入りの飲物で一息入れます。
勉強の合間に休憩をはさむと学習効果が高まるとも言われおり、そういった意味でも休憩は必要です。ただし、その休憩が長引かないよう注意は必要です。
休憩時間は10分前後に留めてください。
合格に最重要=自分の力を信じる
受験に成功する一番のコツは「自分は合格する」と思いながら受験することです。
わたしは、受験決意時に日本事象に関する英語を全く知りませんでした。
テキストや教材を手に入れ、知らない単語ばかり並んでいるのを見た時、思ったことは「これを全部覚えれば合格できる」です。
また、歴史と地理、一般常識の過去問題、自己採点で平均点が30点だった時に思ったのは「あと30~40点がんばれば合格できる」でした。
昔も今も、それほど頭は良くない方ですし、語学力も群を抜いて高いわけではありません。
ですが「自分は合格ラインに届かない」と思ったことは一度もなく、不合格に関しては「10年連続で落ちたら諦めるか考えよう」といった感じでした。
そして行動し続けた結果、通訳案内士として経験をする機会に恵まれました。
だから言えるのですが、ゆっくりでも諦めずに続ければいつか必ず合格はします。
この記事が何かの足しになれば嬉しいです。