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通訳案内士が添乗員でスキルアップできることって例えば?

通訳案内士が添乗員でスキルアップできることって例えば?
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通訳案内士が添乗員をすると、スキルアップになると聞きました。

添乗員でスキルアップできることって何ですか?

できれば通訳ガイドから添乗員を経験した人の実例を知りたい。

 

ともみ
ともみ
そんな風に思っていませんか?

 

通訳案内士と添乗員を経験した、わたくしがお応えします。

元々は通訳案内士ですが、デビュー後に国内旅程管理の資格を取得。

2年と少しの間で100日ほど国内添乗しました。

通訳案内士が添乗員でスキルアップできることって例えば?

それでは、添乗員でスキルアップしたいと思った理由から、始めることにしましょう。

バスに慣れるスキル

通訳案内士になり戸惑ったのは、バス内でマイクを持つのが案外大変だったことです。

マイクの操作もぎこちなく、動く車内で足元がふらつき幻滅しました。

不慣れな自分に失望して舌はもつれるし、それはもう語学力とは別の問題でした。

観光バスに慣れたく、添乗員でスキルアップを目指すことにしました。

添乗員に必要なスキルと仕事内容は、通訳ガイドとは違う意味で多岐に渡ります。

通訳ガイドであれば、出発後は車内で話すことに注力するのが務めです。

けれど、ツアーコンダクターは車内説明に加え以下の内容が求められます。

ツアー開始前後の業務

  • 集金
  • 名簿確認
  • 諸々、必要物の配布
  • オーディオ機器の操作
  • 途中でお客さま合流と確認

※内容は旅行会社により少しずつ異なります。

その他にも

車内にハプニングはつきもの

  • マイクの音が通らない
  • オーディオ機器の調子が悪い
  • 古い車両のエアコンが効かない
  • 客席のシートベルトが締まらない
  • ガイド用の腰当てが堅くてひき出せない

添乗員でスキルを鍛えられ、通訳ガイドで同じ目に遭っても対処しやすく動揺もありません。

出発後のバス内では、添乗員挨拶を始め、ドライバー紹介、車内設備の案内、旅程や注意事項、途中休憩のアナウンスなどツアー毎に繰り返します。

日々スキルアップを試行錯誤し、やがて自分のスタイル確立です。

新人通訳ガイドが見落としがちな注意事項にも慣れ、着実にスキルを磨けました。

先輩からスキルを学ぶ

添乗員でスキルアップに良いのは、新人がベテラン添乗員の現場に同行できることです。

先輩添乗員に終日つき、ツアー開始から終了まで熟練のスキルを見て学べます。

後輩の指導を任されるツアーコンダクターは、会社から信頼される優秀な人達です。

お客様の評価が高い経験豊富な添乗員から学べる分、スキルアップに効果的でした。

初めての場所でスキル磨き

添乗員は、知らない土地に行く機会に数多く恵まれます。

初めての場所には、業務を通して慣れていきます。

下見なしでも観光地を案内できる仕組みが整っているからです。

(派遣添乗員の勤務・給与体系では、自費による下見は殆ど不可能です)

時間の経過とともに、旅程は日々変化を遂げています。

その時々で流行の観光地があり、新たなスポットが話題になる度に、新しい場所の添乗を避けることはできません。

ツアーコンダクターの仕事では、経験を積めば積むほど知らない土地で上手く振舞えるようになります。

通訳ガイドで万が一やむを得ず下見できなかった際は、添乗で体得したスキルの応用可能です。

通訳案内士と相乗効果で、より良いスキルアップになりました。

「通訳ガイドの下見をしなくて良い」「ツアコンの準備をしなくても良い」という意味ではありませんので、ご注意ください

 

危機管理に学ぶスキル

通訳案内士のスキルアップで添乗員をすると、危機管理も深く学べます。

通訳ガイドだけの時はお客様をいかに楽しませるかに注意を奪われていたのですが、添乗を通じていかに不満を出さないよう先手を打っておくことが重要かを実感しました。

観光地では、お客様に不便がないよう前もってお知らせします。

一例として

  • 出発時間
  • 集合場所
  • お手洗いや売店情報
  • 効率的に回れる観光地の順路
  • 迷いやすい場所などの注意喚起

大事なことは繰り返し何度も言います。聞いておられなかったのを責任転嫁されないよう、少なくとも3回は言います。

観光地で団体を先導し、お客様が迷子になりやすい場所や状況の傾向もつかめました。

注意事項を的確に伝えお客様を守ることは、添乗員である自分を守ることに繋がります。

添乗員として危機管理させて頂け、通訳案内士の役に立つスキルアップができました。

精算報告書を征する

添乗員派遣会社でツアーコンダクターをすると、複数の旅行会社に派遣してもらえます。

精算書や業務報告書の書式は会社により全て違うため、様々なパターンで事務処理を経験できます。

預かった添乗金を元に支出や入金を処理するので、どの支出を何の科目で計上すれば良いのか、旅行業における事務処理(精算書作成)のコツもつかめます。

訪れた観光地については、旅行会社への報告が必須でした。

添乗員に課される報告書の場合、旅行会社が観光地について何をどう知りたいのか分かりやすい書式が多いです。

添乗報告の作成に慣れるにつれ、通訳ガイド報告書もポイントを押さえて書けるようになります。

異業種からフリーランスで通訳ガイド就業すると、取引先の精算報告書の記入方法を迷うことがあるかも知れません。

精算報告の場数を踏んでおけば、通訳ガイドになってから初歩的な質問で取引先の時間を奪うリスクを減らせます。

そういった理由で、ツアーコンダクターでは精算報告のスキルアップも可能です。



添乗員で通訳案内士がスキルアップできることって色々

添乗員してスキルアップを目指した通訳案内士です。

お陰さまで色々と経験できました。

様々なアサインに慣れる

添乗員のアサインは通訳案内士の依頼と同じく、多種多様である場合が多いです。

急なアサインや、別のツアー中に次のアサインが決まるなど、本番までの期間を準備にじっくり充てることができない場合もあります。

限られた時間で締め切りを意識した仕事をするうちに、急な依頼でも大丈夫になりました。

旅行業にフルコミットするなら間際のアサイン傾向にありますが、自分の生活ペースなど尊重して働く場合、この限りではありません。

思えば、「あさって〇〇〇のガイドをしませんか?」と県外にお誘い頂き、怖気づいていた頃の自分は甘かったです。

チャンスには前髪しか無いので、つかみ損ねないためのスキルアップとして添乗は絶好の訓練になります。

下見のコツが分かる

通訳案内士の資格取りたての頃、初の宿泊ツアーのため県外へ下見に行ったことがあります。

宿泊ツアーの下見ということで下見にすら宿泊を伴い、何万円も費やしました。

なのに下見のコツが分からず、何が分からないのかすら本当に分かりませんでした。

当日は思うようにできず、お客様に下見のがんばりも伝わらなかったと思います。(下見のことは、お客様には内緒ですが...)

その悔しさもあり、スキルアップのため添乗員しました。

添乗では「これを前もってやり損なうと、添乗員本人もお客様も困る」状況を何度か経験しました。

失敗と成功を繰り返し、改善を重ねた今は下見の要領が分かります。

添乗でスキルアップしたおかげで、効率良く通訳ガイドの準備ができるようになりました。

旅程管理に長ける 

添乗でツアーに出ると、常に移動や観光時間の記録(日報)を書くことになります。

記録(日報)の目的は、旅行会社に提出する報告書と、次に観光地を訪れる添乗員への引継ぎです。(その記録があるので下見なしでの案内が可能になります)

添乗ごとに必ず記録を取ることで、各地での時間感覚が身につきます。

旅の途中では、休憩するパーキングエリアをドライバーと相談して決めるのもツアーコンダクターの役割です。

自然と、高速道路やパーキング情報にも詳しくなれます。

その他、ツアー中は訪問予定の観光地と連絡を密にして、滞りなく旅行できるようにするのもツアーコンダクターの務めです。

担当者と電話でやり取りを重ねることで、観光地がツアー催行者に望むこと・して欲しくないことが徐々に分かるようになります。

こういった経験が、通訳ガイドの業務でも大きく活きてきます。

提案力が高まる

通訳案内士をしていると、取引先から旅程の提案を求められることが時々あります。

その際は、居住地のみならず周辺の都道府県を訪れた添乗員の知識が役に立ちます。

また、土地の事情に明るくない依頼主が要望するような、無理ある旅程でもドライバーと相談し適切にトラブル回避できます。

日々の報告作成を通しては、旅行会社が添乗員や通訳案内士に望むことに察しがつきやすくなります。

最終的には、お客様・旅行会社・訪問先の観光地・ドライバー等、すべての相手に対して提案力が高まります。

結局、最後は吹っ切れる

通訳案内士も添乗員も、旅の仕事に非常事態はつきものです。

ハプニング対処の場数を踏める場として、ツアーコンダクターの仕事は最適です。

添乗では以下のことが起こりがち

  • 多種多様なアサイン
  • 初めての土地や観光地
  • お客様による想定外のご要望
  • 旅行代理店からの多岐に渡る指示
  • 個性豊かなドライバーとのやり取り

時には、交通渋滞や天候不順・不慮の事故でツアーが予定通りに運ばないこともあるかも知れません。

添乗員として一通りの経験をしておけば、通訳ガイドの時に非常事態に遭っても落ち着いて措置が取れます。

フリーランスで通訳ガイドをしていると、仕事の仕方が知らず知らずのうちに自己流になりがちです。

けれど、迷いが生じた際に拠り所となる型(スキル)があれば、難しい場面も対処しやすくなると思いませんか?

ツアーコンダクターで培った型を踏まえれば、様々な判断がしやすくなります。

また添乗の仕事では、想定外のことが次々と降りかかってきます。

そんな事態に対処していくうちにスキルを学び、最後は色々と吹っ切れます。(通訳案内士の業務でも似たような感じです)

そして、大抵の事態には動じない強い通訳案内士になれます。

最速で通訳案内士のスキルアップをできる手段として、添乗員は最適でした。

通訳案内士が副業するなら添乗員派遣会社がおすすめ
通訳案内士が副業するなら添乗員派遣会社がおすすめ通訳案内士ですが、副業で添乗員をしたいです。 添乗員派遣会社がおすすめと聞きましたが... 人材登録する会社ってどんな基準で...

とうことで、まとめです。

添乗員でスキルアップできること
  1. 大型バスに慣れる
  2. 危機管理を学ぶ
  3. 旅程管理に長ける
  4. 報告や提案力も伸びる
  5. 急な仕事依頼に強くなる
  6. 結局、最後は吹っ切れる

通訳ガイドのスキルアップを目指すなら、添乗員だと相乗効果が高いです。

スキルを学ばせて頂けたことに、とても感謝しています。