通訳ガイド

通訳案内士が新人研修で学んだこと【ガイドデビューに向けて】

通訳案内士が新人研修で学んだこと【ガイドデビューに向けて】
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

通訳案内士の新人研修に参加を考えています。

新人研修って、どんなことを学べますか?あと、選ぶ際のポイントはありますか?費用も結構かかるので、心配です。

ともみ
ともみ
そんな疑問にお答えします。

当サイト運営者は、ご依頼に応じ稼働する通訳案内士です。

新人研修の受講経験もあります。

※研修の形態や内容は実施団体や年度により少しずつ異なります。

近年は改正法に伴い、無資格でも参加できる通訳案内士研修も増えつつあります。

通訳案内士が新人研修で学んだこと

ガイド原稿と台本作成

通訳案内士の新人研修では、ガイド台本の作り方を学びました。

  1. 日本語でガイド原稿を書く
  2. 原稿をもとに外国語の台本を作る
  3. 内容を調整し、聞きやすい英語表現に直す
  4. 外国語の台本完成(日本語の台本も完成)

日本語でも外国語でも台本はしっかり構成するよう教わりました。

新人の基礎となる研修なので、普段以上に念入りで丁寧な台本作りでした。

バスガイドの実地研修

通訳案内士の新人研修では、作成した原稿をもとにバスガイドの実地研修をしました。

バスガイドの実技

  • 作った英語原稿でバスの車内ガイドを行う
  • 観光地までの移動時間で模擬ガイディング
  • 参加者の新人ガイドが交代でマイクを持つ
  • 一人あたりの持ち時間は10分前後
  • バスガイドは原稿を見ないで発表する

バス内のガイディングは、大型観光バスを貸し切って行われました。

走行中の車内で前方に立ち、マイクを持つ形式でした。

走行中のバス内で大勢の通訳案内士(同窓生たち)を前に模擬ガイドとのことで、自分の発表では頭の中が真っ白になり何も話せなくなりました。その時、講師から頂いた助言が今でも心の支えとなっています。練習の場で大きな失敗をしに行く、といった意味でも新人研修は大切かもと思います。

観光地ガイドの実地研修

通訳案内士の新人研修ではバスガイドだけでなく、観光地の模擬ガイドもありました。

新人どうし、お客さん役とガイド役に分かれ観光案内の実地研修でした。

観光地の実技

  • 作った英語原稿で観光地のガイドを行う
  • 小グループに分かれて屋外で観光案内する
  • バス駐車場→観光地→バスに戻る流れで実地研修
  • 観光地のガイドも台本は見ないで行う
  • 台本に無い質問がお客さん役から出ることもある

通訳ガイドというと観光案内のイメージが強いですが、旅程管理の能力が意外と問われることを研修時に痛感しました。

スキルアップのために添乗員も経験したい人は、登録予定の添乗派遣会社で資格を取った方がスムーズ(費用負担も少ない)な場合があります。資格取得のみ目的ならどこでも良いのですが、就業の意思がある際は要注意です。

新人どうし学ぶ

通訳案内士の新人研修では、他の参加者の様子も知ることができました。

他の新人さんは?

  • どんな英語で話すのか
  • どんな表情でガイドするのか
  • どんな話題で案内するか

など、見て学べます。

中にはとても絵になる人がいて、気後れすることもあるかも知れません。

ですが、それも大切な学びだと思います。

自分に足りない部分があると感じたら、それだけ伸びしろがあるということです。

その隙間を埋めることで成長できるなら、改善しない手はないですよね。

講師の意見に学ぶ

通訳案内士の新人研修では、通訳ガイドの講師による添削や講評も頂きました。

意見を頂けたのは

  • ガイド原稿の表現で注意すること
  • 作成中のガイド原稿の英語添削
  • 模擬ガイドに対する講評
  • 改善すべき点へのアドバイス
  • 質疑応答で仕事についての疑問解消

自分ひとりで悩んでも解決しづらい部分を見て頂け、有意義でした。

現場を知るプロならではの逸話も聞けるため、現役ガイドの講師が来られる研修に行かれると良いですよ。

新人どうしの交流から

通訳案内士の新人研修には各地から参加者が集います。

それぞれ職業や背景は様々です。

新人どうし互いの姿を通じて、新たなヒントを得ることもできます。

わたしには研修中、とても注目していた人がいました。

その人は、他の参加者と明らかに動きが違っていたからです。

聞けば添乗員をしていたそうで、旅行業のノウハウをしっかりと身に着けていました。

その姿に感銘を受け、わたしも資格を取り添乗員をしました。

(※わたしが受講した新人研修には添乗員資格は含まれておらず、後に別の講座で資格取得しました。研修費は、もちろん自己負担です)

新人研修に参加していなければ

  • 添乗員として就業することは無かったかも知れません
  • 研修で刺激を受け、予想外に経験の幅が広がりました

また、通訳ガイドの仕事先で同窓生と偶然に再会することが時々あります。

そんな時は、活躍の姿を見るだけで励みになります。

そういった理由もあり、新人研修に参加して良かったです。

新人通訳案内士が研修を選ぶポイント

講師は経験豊富な通訳案内士?

通訳案内士の新人研修は、現役ガイドが講師で来られるものだと理想的です。

現役ガイド講師だと?

  • 活躍中のプロの雰囲気や様子を知ることができる
  • 服装や佇まい外見的な特徴など手本にできる
  • 成功者によるアドバイスを受けることができる

講師から、簡単なビジネスマナーを学べる講座だとさらに心強いです。

一見ささやかなアドバイスでも、あるのと無いのでは大違いです。

座学のほかに実地研修はある?

通訳案内士の新人研修は、座学と合わせ実地研修があるものを選ぶと良いです。

フリーランスでデビュー後はバス研修を受けられる機会は案外少ないからです。

(会社所属なら教育してもらえるが、フリーランスの場合は自分の教育は基本的に自分で行う)

新人研修の模擬ガイディングは本当に貴重な体験の場です。

幅広い就業を本気で考える人は、バスガイドの実技がある実地研修を強くおすすめします。

添削や講評はして頂ける?

通訳案内士の新人研修は、自分に足りないものを知るチャンスです。

新しいことを学ぶと同時に、直せるところは直してガイドデビューしたいですね。

ということで、講師からガイド台本の添削や模擬ガイディングの講評を受けられる講座だとなお良いです。

行けそうな場所にある?

通訳案内士の新人研修は、居住地から日帰りで通える場所なら最高です。

わたしは自分が住む地方の一番大きな都市で研修を受けました。

県外でしたが、連日講座ではなく週末ごと行われ仕事しながら通えました。

自宅からは片道3時間ほどで、バス研修も何とか日帰り可能でした。

  • 通訳ガイドデビュー後は、自分が住んでいる地方の仕事から入ることが多いです。
  • ガイドの可能性がある場所を見ておく狙いもあり、研修は自分に近いエリアで受けると好都合です。

大都市に本部があって、経験豊富な通訳案内士がいる団体だと安心です。

新人研修のタイミングは?

新人研修を受けるタイミングは、試験に合格後の1~2年以内が望ましいです。

  • 行動を早めに起こした方が、実績に繋がりやすいからです。

わたしは、当時は観光業ではない仕事をしていました。

ちょうど年度替わりで手が回らず、資格を取ってすぐの研修は見送りました。

ということで、資格取得の次年度に参加しました。

開催は例年3月頃(春の繁忙期より少し前)の予定で募集を見かけます。

ですが、新人研修は合格年度でなくても受講できる場合が多いです。

中には試験合格から5年以上経って参加の人もおられました。

人それぞれに事情があり、受講のタイミングは思い立ったが吉日だと思います。

ただし本気で就業したいなら、やはり資格取得後1~2年以内がおすすめです。

研修の料金めやすは?

通訳案内士の新人研修は、有料の場合が多いです。

  • 料金相場として、3日間ほどの研修で3~4万円位になります。

観光地の入場料金や講師、資料代、貸し切り観光バスなど含まれ、なおかつ旅程管理の資格取得ができる場合もあります。

  • その際は、研修の日程は長め(5日~1週間ほど)で料金相場は6~7万円位です。

遠くまで行くのが難しい人は、各都道府県で開催される各種研修もあります。

(※注.手厚い新人研修は都道府県の単体では行わないことが多い)

居住する都道府県から無料の講座案内が来る場合もあり、合格後はすぐに通訳案内士登録しておくとよいです。

合格者には担当の課から登録の手順お知らせが届きます。

分からない時は担当者に相談しながら進めれば大丈夫です。

ということで、まとめです。

新人研修で学ぶと良いこと
  1. ガイドのビジネスマナー
  2. ガイドの原稿・台本作り
  3. 車内バスガイドのしかた
  4. 観光地ガイドのしかた
  5. 現役通訳ガイドの姿
  6. 危機管理や旅程管理

目的に合う新人研修に参加できるよう、この記事が役立てば嬉しいです。

わたしも引き続き、様々な研修で学んでいきます。