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BTSは英語の曲をなぜ歌うのか?理由を考察してみました

BTSは英語の曲をなぜ歌うのか?理由を考察してみました
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BTSがまた英語曲をリリースしましたね。『Dynamite』『Butter』そして『Permission to Dance』と、最近は英語の歌ばかりが目立ちます。

 

ともみろく
ともみろく
ということで今回は、BTSが近頃なぜ英語の曲ばかりを歌うのか?を考えることにします

 

当ブログ運営者は、音楽と語学が大好きな通訳案内士です。

専門言語は英語でBTSの英語もいつも楽しく聴いています。

BTSは英語の曲をなぜ歌うのか?理由を考察してみました

このところ英語の曲を立て続けに発表しているBTSですが、それに伴い「なぜまた英語なのだろう?」と素朴な疑問を持つ人が増えている気がします。

英語の歌を出さなければ「なぜ英語曲をリリースしないのだろう?」と注目を集め、英語で曲を出せば「なぜ英語の歌ばかりなのだろう?」とさらに注目を集める。

世界的スターとは、つくづく大変な存在ですね...

BTSは英語曲をなぜ?と言われる背景

そもそもBTSの英語曲がなぜこんなにも注目を集めるのか?という理由について、それは元々「BTSといえば韓国語」のイメージが強かったからですよね。

2013年デビューから、2020年ダイナマイト以前までの7年間、アメリカでの名声が高まってきた時期でさえ、BTSは韓国語メインのオリジナル楽曲をリリースし続けていました。

なのにここへ来て『Dynamite』『Butter』『Permission to Dance』と英語ばかりの歌を3曲も連続で発表し、「一体なぜ?」と関心を寄せる人が増えているというわけです。

英語ばかりの歌1曲目『Dynamite』

BTSでなぜ英語の歌?といえば『Dynamite』のヒットも記憶に新しいですよね。

米国デビュー後も韓国語メインで活動していたBTSにとって、初の英語オリジナル曲であるこの歌は、2020年8月に配信が始まるとすぐ、同年9月には全米ビルボードチャートで1位を獲得。

最終的にはグラミー賞にもノミネートされ、それまでBTSを知らなかった世代への浸透やファン層の拡大にも大きな役割を果たしました。

韓国語をアイデンティティとする姿勢を長らく貫いてきたBTSに「なぜ英語ばかりの歌を?」というメディアからの問いかけに対し、BTSの答は共通して次の3点に集約されます。

  1. 新型コロナ感染症拡大の閉そく感が高まる状況下に何か突破口を見出したかった
  2. 世界中のARMYに希望のメッセージと前向きなエネルギーを届けたいと思った
  3. 今まで自分たちが挑戦したことがない新しく大きなチャレンジをしてみたかった

※ARMYとはBTSのファンのことです。広く世界中のリスナーと解釈することもできます。

欧米でのインタビューに答える様子を見る限り、「歌詞が英語ばかりである」という出来事については、「初めから戦略的に計画していた」というより「製作の過程で自然とそうなった」と受け止める方がふさわしいようです。

韓国語ではない一番の理由としては、デモテープが英語で吹き込まれていたから、とRMが端的に答えており、それが心地良かったので英語で歌ってみようという流れになったようです。

英語ばかりの歌2曲目『Butter』

しかしながら、BTSといえば韓国語のイメージが依然として強いように思います。


Butter≫

『Dynamite』に続く2曲目『Butter』も韓国語の歌でなかった際は、少なからず「なぜまた英語曲?」と感じた人もいたのではないでしょうか。

(英語ばかりの曲が「良くない」と言う意味ではなく、「素朴な疑問」として)

作品を彩る世界観としては、韓国語メインの過去ナンバーに見られるような力強さや寂寥感は影を潜めており、全体的にポップで軽快な爽やかさに満ち溢れています。

気分としては、前作『Dynamite』の流れを汲んでいるのかな?といった印象で「楽しく歌って踊れる可愛いサマーソング」というBTSによる説明もぴったりですね。

『Dynamite』に次いで、なぜまたシングル曲『Butter』も英語ばかり?という疑問に対し、BTSによる明確な答えは今のところ示されていないように感じますが...

おそらく『Dynamite』でグラミー賞にまでノミネートされ、思いのほか反響が得られたので、次の曲も英語で挑戦してみては?という境地に至ったのではないでしょうか。

あるいは『Dynamite』リリース以来、新型コロナウイルス感染症の世界的な終息は未だ見えておらず、再び「英語で全世界に明るく元気なメッセージを伝えよう」というBTSの願いもあったのかもしれませんね。

(世界規模でみると、韓国語に比べ理解する人口が多いので、意味も通じやすい)

英語ばかりの歌3曲目『Permission to Dance』

そして最新作、『Permission to Dance』もまた英語の歌ということで、「なぜ?また」と感じる人もいるのかもしれませんが...


Butter/Permission to Dance≫
 

この曲については『Butter』のカップリングでもあるため、また英語なのでは?と個人的には受け止めています。

前作『Butter』同様、全体を貫くトーンとしては明るく軽やかなイメージですが、どこか切なく『Dynamite』や『Butter』とは違うタイプの優しさが作中に込められている気がします。

前作『Butter』で彼らは「この夏を気分よく乗り切ろうよ」と可愛く語りかけてきたのに対し、今作『Permission to Dance』では柔らかなタッチで「未来への希望」(=コロナ終息後の世界)を描き出しており、親しみやすい作風ながら至るところにBTSならではのメッセージが隠されていました。

※「夏を乗り切る」というのは、そんな歌詞があったのではなく、当ブログ独自の解釈※

最も象徴的なのは、『Permission to Dance』MVのティザー映像、シュガが手にする雑誌の表紙にあった「2022」という数字です。

(MVで表現されているのは2021年の現在ではなく2022年で未来の世界)

他にも、数え上げればキリがありませんが、振り付けに出てきた国際手話のメッセージ(楽しい・踊る・平和)などにも本当に驚かされました。

つくづくBTSとは、様々な枠組みや既存の壁を、乗り越えていける存在なのだと思います。



英語の曲をなぜBTSは歌うのか?理由について感じること

またBTSが英語曲ばかり連続でリリースしたことに対する、「韓国語をアイデンティティとしていたはずなのになぜ?」という疑問については、下記のように考えることもできます。

考察部分については、当ブログ「ともみろく」による見解のため、「こんな見方もあるのだな」といった程度にお読み頂けると幸いです。

BTSの曲がまた英語であった理由を思う

韓国語メインで歌い続けてきたBTSが、英語ばかりのオリジナル楽曲をリリースした理由ですが、『Dynamite』についてはRMが「心境の変化である」とハッキリ述べています。

全編英語のその曲をリリース当時、海外メディアからの取材に、『人の気持ちとは常に変わり続けるものだ』と語っていたのが印象的でした。

特に『Dynamite』製作前は、コロナの影響でツアーが次々とキャンセルになる中、彼ら自身の価値観も大きく変容したようです。

思うに、米国デビューからコロナ自粛期に至るまで、海外との行き来を重ねるにつれ、韓国語のみならず「英語を用いて伝える」ことへの考え方も、BTSの中では徐々に変化していたはずです。

米国での輝かしい躍進の中で、英語を介した心温まるやり取りをし、あるいは逆に悔しい思いをしたことだってあったに違いありません。

そんな時代を経たBTSが、今あえて韓国語ではなく英語で挑戦しようとする姿勢は、まさしく彼らが「デビューから一貫して保ち続けてきたチャレンジ精神と行動力そのもの」と呼べるのではないでしょうか。

英語曲でも今なお変わらないBTSの姿勢

そして今、歌詞が全て英語になっていたとしても、一見ポップさが際立つ曲調になっていたとしても、BTSの作品世界には以前と変わらない何かが確かに存在しています。


防弾少年団ファン・ブック≫

それは例えば、BTS自身が誰よりも音楽やダンスを真摯に楽しむ姿であったり、彼らのパフォーマンスを見たり聴いたりした人達が元気になることであったり...

一言でいうと、そこには絶えず「前向きなエネルギー」が感じられます。

(そして実のところ、長引くコロナの影響下で、「音楽やダンスの力で元気になりたい」と最も願っているのは、他の誰でもないBTS自身なのではないでしょうか)

思えばBTSとは時に逆境に身を置きながら、時代時代で常に変化をし続け、いつだって新しい試みで困難や苦難を乗り越えてきた人達でした。

すなわちデビューから現在に至るまで、少しずつ作風を変えて彼らは常に「継続」「挑戦」「克服」によって道なき道を切り拓いてきた人達であるという意味で...

まだしばらく歩みを止めそうにないBTSを見ていられることは、私達にとって幸運なことなのではないかと思います。