最近、BTSの英語の発音が上手いのかどうなのか、注目が集まっている気がします。
BTSが大好きで、英語歌詞も理解したいと思うがゆえに、起こる現象だと思うのですが。
発音が上手いと褒める人、聞き取れないと嘆く人の両方がいるようです。
当ブログ運営者は、音楽と語学が大好きな通訳案内士です。
このところBTSに興味を持ち、歌詞など考察しつつ楽しく聴いています。
BTSの英語の発音が上手いのかどうなのか色々と考察します
BTSの英語の発音について、上手いのかどうか気になる人が多いようなので、考察することにしました。
初めにお断りしておきますが、当ブログ運営者は通訳案内士ながら、語学は国内で習得しています。そのため、英語はネイティブレベルではありません
日本を含む世界各国の人達の英語に、通訳案内士として触れてきた経験をもとに、考察した内容であることを、ご了承ください。
BTSの英語の発音が上手だと思う理由
BTSの英語の発音ですが、上手だと褒める意見を、ときどき見かけますよね。
そこで、褒められる理由はどこにあるか知りたく、わたしも改めて’Make it right’ ’ON’ ’Waste it on me’など英語歌詞が出てくる曲を聴きなおしてみました。
そして思ったのは、完璧でなくとも要所の発音が上手くできると、全体的に英語らしく聞こえるのでは?ということです
安定してきれいだと感じたのはRの音で、’ON’ の中で歌われる’Th’の音(J-HOPEの声?)もいいなと思いました。
あるいは、’Waste it on me’で、RMが歌う’Ph’の音など完全に英語の響きでした。
なぜBTSがRの発音を上手にできるか
ところでBTSの英語の発音で、なぜR音だけが際立って美しく聞き取れるのでしょうか。
思うのですが、それは韓国語の特徴と関係がある気がします。
根拠は、彼らの日本語リリース曲’Lights’の歌詞(発音)を聴いた時に感じた、ちょっとした違和感です。
この歌を聴いて、あなたはどう思いましたか?
わたしは、メンバー全員の「ら行」の音をとてもエキゾチックに感じました(日本語ネイティブだと、あまり使わない音声)
これっておそらく韓国語に元々あるラ音(英語のRに近い音で始まる?)を日本語のラ音(らりるれろ)の箇所に適用しているからですよね
(=日本語の「らりるれろ」で歌うところを、韓国語寄りの「らりるれろ」で歌っている)
そんなわけで、彼らにとって英語のR音は韓国語に似ている部分で、発音しやすいのかもと思いました。
BTSの英語の発音が聞き取れない理由
しかしながら、BTSの英語の発音を上手だと感じる一方、聞き取れないと感じるリスナーもいるようです。
その現象がなぜ起こるか考えたのですが、おそらく原因の一つに’L’ ’V’ ’F’ ’Th’ など、こちらも英語に特有の音声(発音)があると思われます。
全体的に、BTSメンバーの英語(歌詞)の発音は、わたしの印象だとL音が弱く、あまり主張が強くありません
L音を含む語が、単語またはフレーズの中に溶け込みやすくなり、聞き取れない歌詞として認識されているのではないかと思います
またV音、F音は下唇を噛んで大袈裟に発音、Thは舌を噛んで大袈裟に発音すると、いかにも英語の雰囲気になるのですが...
BTSの歌(リーダーのRMを除く)では、V音とF音、Th音も控えめに感じました
(V音・F音は下唇を噛まず、Thは舌を噛まずに発音している?)
そのためThで始まる語など(例えばThatのような語)がフレーズに溶け込んで認識されにくくなり、「基本的な語彙だけど歌になると聞き取れない」という現象が起こっているのでは?
と考えます。※後日追記※唇や舌を噛んで発音している子もいますね(下記リンク参照)
英語の発音でお口の動きがよくわかる映像→'Butter(Hotter Remix)'Official MV
BTSの英語の発音を上手か下手かのモノサシで測れない理由
そのほか、BTSの英語の発音が聞き取れない原因として、下記の可能性も考えてみました。
なお、当ブログ「ともみろく」は、「BTSの英語の発音は上手や下手のモノサシでは測れない」という結論に至ったのですが、その理由もお伝えしたいと思います。
RM(BTSリーダー)の英語の発音が聞き取れない?
BTSの英語の発音について考える時、RMの英語にも注目する必要があります。
RMの場合、英語圏のメディア出演でメンバーの通訳ができるくらい語学に堪能ですが、そんな彼の発音でも、BTSの歌詞は「聞き取れない」と言われることがあるようです。
原因としては、RMの英語の「流暢さ」本人の「個性」などが考えられるでしょう
RMについては、ボーカルを取る曲もあるものの、基本的にはラッパーということで、発音にどこかラップ音楽の影響が感じられます。
そのため語彙によっては、ネイティブっぽい上に独特の音声が加わり、「基本的な単語なのに聞き取れない」ということも起こり得るわけです。
※RMはネイティブスピーカーではありません。
英語ではない発音でも聞き取れなかったBTSの歌詞
けれど、歌詞というのは、たとえ母語で歌われても完璧に聞き取れるとは限らないものです。
わたしは、BTSの日本語曲’Lights’で、歌い出しの歌詞(電話やLINE~のフレーズ)が聞き取れませんでした。
それは彼らの日本語力が原因ではなく、自分の認知不足が引き起こしたものだと自覚しています
というのも、わたしの場合、普段の生活で電話やLINEにあまり思い入れが無く、そのため歌詞に突如現れた「電話」「LINE」の語彙をうまく認識できなかったと考えられるからです。
いくら聴き返しても聞き取れず、文字で見た瞬間に、「ああ、このフレーズは日本語だけど、自分の辞書にはない言葉だった」と深く納得したものでした
そんな感じで、「自分の経験として実感を伴わない言葉」なども、歌詞を聞き取れなくする原因かと思います。
発音のせいとは限らず、歌詞が聞き取れない場合もある、ということですね。
英語の発音の上手い下手はBTSの本質ではないので
さて、ここまでBTSの英語の発音について考えてみましたが、どうだったでしょうか。
あなたはまだ、彼らの英語の発音が上手いのか上手くないのか、気になっていますか?
当ブログ「ともみろく」は、上記の考察も踏まえて、BTSの発音を「上手や下手というモノサシでは簡単に測れない」と結論づけます。
韓国語を母語とする彼らにとって英語を使うことがどれだけ大変か、日本語を母語として英語に取り組んできた自分には痛いほど分かりますし、「英語の発音が上手いかどうか?」は、じつのところ、BTSにとって本質的な問題ではないからです
※韓国語と日本語は、文法構造的にお互い類似点が多いとされています。
BTSに興味を持てば持つほどに、英語力はどうなのだろう?と関心が高まるのは分かるのですが、仮に彼らの発音が完璧でなかったからと言って、それを気にし過ぎる必要は全くありません。
英語が完璧であろうが、なかろうが、彼らが造り上げる作品世界が素晴らしいことに、何ら変わりは無いはずです
今やBTSの実力は世界中で数多くの人が認めるところとなり、もはや英語がどうこういった次元では語りつくせないくらい、大きな存在となっています。
そんな彼らに対する英語力の評価は程々に、自分の資質を高めることに注力した方が、よほど生産的だと思うのですが、いかがでしょうか。
わたしも、自分の語学力を高めるべく、引き続き創意工夫していきたいと思います。