BTSの「紫するよ(ボラへ/I purple u)」の意味について、初めは、韓国語の諺か何か?
と思っていました。ですがこれ、メンバーのV(テテ)が考えた造語だそうです。
この記事を書いているわたしは、音楽と語学が大好きな通訳案内士です。
専門言語は英語ですが、最近、韓国語のBTSを聴いてます。
BTSの紫するよ i purple uの意味は韓国語の諺か何かと思ってた

紫するよ/I purple uって、韓国語で「ボラへ」と言うそうで、めずらしい響きの言葉ですよね。
どんな意味なんだろう?と気になる人は多いと思います。初めて見た時、わたしも気になりました。
紫するよ(日本語)の意味
この「紫するよ/ボラへ」について、今ではBTSとARMY(BTSのファン)の間で合言葉のように使われるのをよく見ますが、考案者はメンバーのV(テテ)だそうです。
2016年(韓国)のファンミーティングで、会場のペンライト(ファンが照らしてくれた紫色の光)を見てその場で思いつき、「相手を信じてお互いを末永く愛し合おう」という意味で、使ったことが始まりだといいます
紫は虹の最後にある色を表わすそうで、この「紫するよ/ボラへ」には、「永遠にずっと一緒にいられたら」というV(テテ)のARMYへの想いが込められていました。
元々は韓国語で「ボラへ」といい、日本語だと「紫するよ」と訳されることが多いようです
わたしも実際に何かの動画で、V(テテ)が日本のファンに向け、「紫するよ!」と元気な日本語で、可愛く呼びかけるのを見たことがあります。
ボラヘヨ(韓国語)の意味
また「紫するよ」の韓国語は「ボラへ」ということで、韓国語の意味も気になりますね。
「ボラへ」については、わたしは、V(テテ)が韓国語で「ボラヘヨ」と言っている動画を見たこともあります。(※2016韓国ファンミーティングとは別のコメント動画)
そこで、その言葉の意味をもっと知りたくなり、韓国語の「紫」を手がかりに、文の構造など調べてみました。
すると紫(日本語)=ボラ(韓国語)であることが分かりました
だけど...
- 「ボラへ」の「へ」って、どんな意味合いなのでしょう?
- 「ボラへ」と「ボラヘヨ」との違いって何なのでしょう?
そして、思い出したのが韓国語の「サランヘヨ/愛してます」というフレーズです。
日本では韓国ドラマやK-POPが流行ったこともあり、聞き覚えがある人も多いと思います。
この「ボラヘヨ」と「サランヘヨ」って、何となく響きや構造が似ていませんか?
ということで、サランヘヨの文の意味を調べてみました。すると
- 「サランヘヨ」=「愛してます」
- 「サランへ」=「愛してる」
という意味合いで、どうやら「サラン」=「愛」で、「へ」=「する」のようでした。
ということは「ボラ」=「紫」&「へ」=「する」となり
- 「ボラへ」=「紫するよ/紫してる」
- 「ボラヘヨ」=「紫します/紫してます」
という意味になります。
「へ」と「へヨ」の違いは?
- へで終わると少し距離が近い、親し気な言い方
- へヨで終わるとやや距離を取った、丁寧な言い方
となる感じでした。
i purple u(英語)の意味
ですがBTSの「紫するよ/ボラへ」には、I purple uという英語の言い方もあります。
これって、全世界的に活躍するBTSならではの現象ですよね。
とはいえ英語による意味は、先ほどの韓国語を踏まえて考えると、すぐに分かりますね。
・サランヘヨ=I love you
・ボラヘヨ=I purple you/I purple u
I purple you をI purple uと書くのは、英語のスラング(俗語表現)によるものです。
これはSNSなど特に若い世代を中心に、親しみを込めてYouの代わりにuを使うことから来ています。
過去にBTSがリリースした曲では、タイトルや歌詞にスラングがいくつか使用されており、中にはI NEED Uというタイトルの歌もありました
それを思えば、V(テテ)やARMYがI purple youをI purple uとするのもごく自然な流れですね。
さらに、くだけた感じで、Iをiと書けば、i purple u の出来上がりです。
Iをiとする書き方は、海外の若いアーティストなど男女を問わず、SNSでよく使っているのを見かけます。
i purple uの表記だと、V(テテ)とARMYの関係性に似合っているし、とても必然性があることだと思います
このI purple youですが、ある時など英語圏で収録されたコメント動画で、BTSリーダーのRMがファンに向けてWe purple youと言っているのも見かけました。
V(テテ)が発した「ボラへ」をきっかけに、その言葉がBTSメンバーから世界中に広がり、肯定的な意味合いで使われる
なんと可愛らしく心温まるストーリーでしょうか
この言葉、初めて見た時わたしは、韓国語の諺か何かと本気で思いましたが、そのうち本当に韓国語の辞書に載る日がやってくるかもしれませんね。
i purple uの意味(BTSの紫するよ)で思い出した韓国語の諺など

それにしても、BTSの紫するよ(ボラへ)/i purple uって、本当に楽しくて可愛い響きのフレーズだと思います。
韓国語の辞書に載ってもおかしくないかも、と思えるくらい意味深く創造的なBTSの言葉に、わたしも韓国語の諺など思い出しました。
二兎を追う者は一兎をも得ず
以前に韓国の方と仕事でご一緒し、その時に雑談をしていて、どういう流れからか「諺(ことわざ)の話」になったことがあります。
向こうから、「嫌いな諺は何ですか?」と聞いてこられたので、答えた諺がこれです。(こちらは韓国の諺ではないのですが)
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
というのは、追いかける兎の種類さえ間違えなければ、人ひとりの一生において、二匹以上の兎を手に入れることは可能だと思うからです
わたしの考えによると「人生とは一兎も二兎も追いかけて生きていくものなのでは?」
ということで、「紫するよ」のBTSもわたしには、一兎二兎と追いかけながら生きている人達に見えます。
歌とダンス、ラップとボーカル、韓国とアメリカと日本、アイドルとアーティスト...
といった風に、様々な地点を行き来しては、いくつものことを成し遂げる。
そんなBTSから勇気をもらっている人は、世界中にたくさんいることと思います。
登れない木は仰ぎ見るな
さて、「二兎を追うものは~」の諺に対する韓国人(一緒に仕事した人)の反応です。
「それって自分が嫌いな諺に少し似ているかも」と言って、次の諺を教えてくれました。(こちらは韓国の諺です)
「登れない木は仰ぎ見るな」
これは「身の丈に合わない志は抱かない方がよい」「あまり大き過ぎる目標を持たない方がよい」といった意味の諺かと思うのですが...
韓国人のその人は、「高い木を仰ぎ見ることが必ずしも無意味とは思わない」と言い、だから「この諺が嫌いだ」と言いました
だけど、考えてみれば、そうですよね。
それは確かに登るのが不可能と思えるほどの高い木かもしれないけれど、仰ぎ見ることさえしなければ、その木を目指して成長する道だって絶たれてしまうので。
登れない木を仰ぎ見るなと言って、早々に諦めることは簡単ですが、登れない木だと思い込んだばかりに、逃してしまう何かもあるように思います。
そして今、注目のBTSですが、デビュー当初は誰もが予想し得なかったという、高い木を制覇しようとしています
彼等は現在、「米国で最も権威ある音楽賞」と言われる、グラミー賞にノミネートされており、その賞(ポップ・グループ賞)へのノミネート自体すでに韓国人歌手初の快挙です。
グラミー賞候補に、BTSが到達することをデビュー時から予測していた人は、本人達も含めほぼ誰もいなかったことと思います
そんな彼等は、今まさに「初めは登れると思っていなかった高い高い木の頂上」へ登りつめようとしているところではないでしょうか。
この記事を書いている現在、グラミー賞の受賞式までには、まだ少し時間があります。
実際にBTSがグラミーを受賞するのかどうか、今はまだ分かりません
ですが、たとえ賞を逃してしまったとしても...
彼らがこれまでに成し遂げてきた、数々のことの素晴らしさに、変わりはないはずです。
世界中の人々が永遠に末永く、BTSを紫し続けることでしょう。