通訳ガイド2次試験面接で一発合格を目指したい人いますか? わたしも、不合格にはなりたくないと思っていました。
二次試験会場につくまで
始発で、二次会場を目指す
通訳案内士の国家試験は、わたしが住む県では実施されないため、他県で受験するのが恒例でした。
始発のJRで面接試験が行われる市についた後、電車を乗り換えて会場入り...
というのがいつものパターンでした。
ところが、やっとの思いで二次試験の受験資格を得た年のこと。
乗り換えをすべくホームにいたのに、予定の時刻になっても電車が来る気配がありません。
おかしいな、と思い始めたその時、駅の構内放送が流れました。
どこかの線路内で人身事故があり、列車が急きょ不通になったとのことでした。
面接会場への途中、不測の事態に
駅員さんに復旧の予定時刻をたずねるも「今のところ何時になるか分からない」とのこと。
だけど、電車が来なければ口述試験には間に合いません。
別の公共交通に変えることも考えたのですが、バスまたはタクシーに乗り換えたとしたら?
より多くの時間を費やし、かえって遅くなる恐れがありました。
列車の再開を待ちながら、「このまま二次試験に不合格したらどうしよう」と思うと、過去の受験のことも思い出され、何ともやり切れない気持ちでした。
少しでも気をぬくと涙が溢れて止まらなくなる気がして、必死で気力を保ちました。
それでもなんとか、二次面接へ
しばらく様子を見て、復旧がないようであればタクシーかな...と考えていたところ、幸い30分ほどで運行再開。
面接会場にも遅れずに着くことができました。
もともと試験には余裕を持って着くよう、早過ぎるくらいの見込み時間で動いていたからです。
そのことが不幸中の幸いだったと思います。これはわたしが体験した本当の話です。
途中で何が起こっても合格を逃さないよう、早めの移動を心がけましょう!
不測の事態に備えて、二次試験会場へは早めの移動を!
通訳案内士の二次試験までの時間
参考書で面接ギリギリまで勉強
面接会場は大学の一室で、わたしの控えの教室には全員で40人ほど受験者がいました。
受験番号が若い方から順に面接で、自分の番が回ってくるまでは地理関連の本を見て過ごしました。
最後まで何か勉強しておかないと、落ちたら絶対後悔すると思い真剣です。
面接直前の追い詰められた気持ちで難しい本を見ると逆に焦るので、小学生向けのシンプルな本を持っていきました。
時間を無駄にすることなく、面接まで気分も紛れたので持っていってよかったです。
だけど持って行った本は...口述試験の内容と全く重なってなくて、後で笑いました。
(その参考書が悪いわけではなく、わたしの選択ミスです)
皆さまには、一次試験対策で使い込んだ単語本(日本事象に関わるもの)を持っていかれることをおすすめします。
口述試験までドキドキ
最初の受験者から自分の番までは1時間ほどあり、前の人が呼ばれるにつれ緊張が高まっていきます。
口述試験が終わって教室に戻って来た人達からは、面接が終わったという解放感よりも、何となく沈んだ雰囲気が感じられました。
心配なのは誰だって同じなのかな?と思いました。
二次本番での口述試験
面接室へ入室
面接室の試験官は2名いました。
外国人と日本人の二人一組で、面接官の前には机があります。
受験者には椅子のみで、着席用と荷物置き用3脚が横並びで配置されていました。
試験の本題に入る前に、受験番号と名前を言うよう促されます。
緊張していても声が小さくならないよう、ハッキリと礼儀正しく応えることを心がけました。
二次試験・逐次通訳
わたしに課せられたのは、京都の祇園祭りについての説明でした。
試験官が読み上げる日本文を聞き取り、それを後から通訳するようにとのこと。
日本語による問題は100字程度の短い文だったと思います。英語による通訳は1分ほどの長さに収めるという決まりでした。
「日本語の聞き取りはメモを取っても良い」と言われ、紙と筆記具を渡されました。
(通訳案内士のメモ取り方・独学勉強法を書きました↓)
日本文の構造自体はそれほど複雑に感じませんでしたが、「三大祭」「7世紀」「7月17日」といった具体的な数字が、とにかく沢山含まれていました。
この数字だけは、何が何でも間違ってはならないと判断。とっさに「文全体の流れは記憶」し「数字とキーワードだけメモ」することに決めました。
数字の他にメモした言葉は「疫病」「山鉾巡行」「山車」といった感じです。
緊張で、メモを取る手が震えて止まりません。
口述は、間違いを犯さないよう慎重になり過ぎたあまり時間オーバー。
的確な語で訳せたとは思うのですが、後半が少しだけ切れて中途半端に。最後まで訳せなかったことがショックで、絶望的な気分になります。
でも、そこで諦める気は全くありませんでした。
口述・プレゼンテーション
プレゼン問題は3つのお題の中から好きなものを1つ選び、それについて英語で説明する形式です。
面接官からは3枚のカードを渡されました。カードには、それぞれ「侍」 「おすすめのスキー場 」「日本で年末年始に行われること」と書かれていました。
「侍」と「スキー場」について、美しい説明が思い浮かばず「年末年始」を選びました。
プレゼンテーションを始める前は、話すことを考える時間が30秒ほど与えられます。
口述の時間は2分程度です。
実のところ、選んだお題についても自信はあまりなかったです。
が、ここで何も発信しなければ不合格と確信し、命懸けで言葉を繋ぎました。
除夜の鐘、年越しそば、初詣、お年玉、おみくじ、欧米のクリスマスとの比較など織り交ぜて口述をしました。
自分の英語を聞きながら、苦しい説明だなと思いました。それでも、大きな声で堂々と話すことを実践しました。
通訳ガイド・質疑応答
プレゼンで説明したことに対し、外国人の面接官から少し踏み込んだ質問がありました。
お正月のおみくじについて聞かれ、「運勢を占う」「大吉・中吉・小吉」その他の事柄を絡めて返答したように思います。
その時もう緊張は最高潮で、面接中のやり取りの細かな記憶が殆どありません。
かろうじて覚えているのは、以下のことです。
「どうしよう、自信ない」と思っても、言葉が途切れないよう一生懸命に答えたこと。
持てる知識を総動員して、できるだけ納得して楽しく聞いて頂けるよう努めたこと。
とにかく「沈黙したら終わりだ」と思っていました。
二次試験の口述あとの待ち時間
二次合格か不合格か?それが問題だ
自分の口述試験が終わっても、全員の面接が終わるまで控室を出ることは許されません。
わたしの受験番号は中ほどで後の人達がいたため、重く息苦しい時間がさらに1時間続きます。
面接が済んでも「二次試験が終わった」という解放感はなく、自分の中に押し寄せる葛藤とひたすら向き合わなければいけませんでした。
合格なのか、不合格なのか?
気になって仕方がないのですが、受かった気もすれば、落ちた気もするといった感じで、控えの教室では暗鬱になる一方でした。
不合格でも諦めない
自分の番が終われば抜け殻も同然、ずっと下を向いて過ごしていました。
後から戻ってくる受験者も似たような感じで、誰もが疲弊して見えました。そんな中、教室へ帰ってきた人で、少し泣いているように見えた人がいました。
今までがんばって二次試験に漕ぎつけたのに、口述が思うようにできなかったのかもしれません。
過去に何度も筆記試験に落ちた身としては、その人の気持ちが痛いほど分かる気がしました。もらい泣きしそうになり、我慢するのが大変でした。
それを踏まえた上で思うのですが
試験会場で涙を流すのは如何なる理由でも絶対にNGです。面接中であれば即終了・不合格だと思って間違いありません。
なぜなら、口述試験で思い通りにならず涙を流す人は、ガイド中にも同じことをする可能性が高いとみなされるからです。(一介の受験者の考えではありますが)
(注.家やホテルに帰ってから号泣するのは全然ありです)
面接で苦しい思いをするのは誰だって同じこと。少しくらい自信がなくても、気丈に振舞った方が吉です。
とは言え、通訳案内士・二次試験の面接自体すでに、誰もができる経験ではありません。もしも結果が思わしくなかったとしても、それを通じて得ることはたくさんあるはずです。
わたしについては、やれることは全てやり、不合格でも後悔のしようがありませんでした。
もしも落ちたら自分の実力不足を認め、来年また受験しようと決めていました。
- 自信がなくても堂々と話す(沈黙すなわち不合格を意味する)
- 何があっても最後まで諦めない(敬意を持って双方向のやり取りを)
- できない時の対処法を考えておく(とっさの判断が合否を分ける)