通訳案内士になりたい男性ですが、稼げるガイドになって語学で生計を立てたい。
食べていける通訳案内士になるには、何に気をつけると良いですか?
通訳案内士で、食べていける方法を知りたいです。
食えるガイドになりたく、お願いします。
この記事を書いているわたしは、地方在住の全国通訳案内士です。
過去6年ほどに渡って様々なガイドさんを現場で拝見し、稼げる通訳案内士の特徴および、あると良いものに気がつきました。
というわけで今回は、自戒の意味も込めてチェックリストを作ってみました。
女性でも応用できます。よろしかったら見ていってください。
通訳案内士の男性が稼げるようになるには
※今回は、「高評価」「おもてなし力」「提案・報告力」といった前提は、割愛させて頂きました。
上記の資質を高める方法については、添乗員記事で考察してます。
稼げる男性ガイド①身心ともに頑丈で楽観的
頑丈な身体と心、物事を重く受け止め過ぎない楽観性が必要である
「通訳ガイドは体力と精神力」とは巷ではよく聞かれるフレーズですが...6年間プロの世界に身を置き、これは本当に実感しました。
ガイド業は立ち仕事で、早朝の起床や深夜の帰宅を伴うこともあり、時には長い移動や宿泊も発生します。
異文化のはざまで困難に直面し、矢面に立つこともあります。
専門職でありながら、どこか肉体労働のようでもあり、お客様のお世話をする以前に自分の健康無しには語れない...
ということで「おもてなし」「語学力」「知識」などのコミュニケーション力も大事だけど、体力と気力はもっと重要という考えには深く納得です。
稼げる男性ガイド②いつでもどこへでも行ける
フットワークを軽く、いつでもどこへでも行けるようにする
盆暮れ正月も快く依頼を引き受けると喜ばれ、仕事が増えやすくなります。
さらに自分の居住地のみならず、近隣の都道府県~日本全国どこでも行けると、生計は立てやすくなります。
その分、通訳案内士ではない副業をする場合、固定の仕事は選びにくいかも知れません。
依頼が来たら、いつでも動けるようにしておく必要があるからです。
ご活躍のガイドさん方と各地でご一緒して気づいたのですが、皆さま動きが軽快で活動範囲も広いです。
急な依頼を動じず引き受け、締め切りに間に合わすことに長けている様子でした。
「今すぐ準備をして〇〇へ移動してもらえますか?」と遠くの地へ依頼を頂いた時に、「お引き受けできます!」と笑顔で応えられるなら、あなたには素質があります。
チャンスが訪れた時に、さっと動ける人が結局は一番強いです。
稼げる男性ガイド③仕事を細かく選ばない
仕事を細かく選び過ぎないようにする
FIT、団体ツアー、インバウンド添乗と形態を問わず引き受け、自分の価値を高めます。
しかしながら可能であれば、徐々にロングツアーへ切り替え効率化するのが賢明です。
働き盛りで稼げるガイドを目指す男性には、「通訳ガイドというおしごと (アルク はたらく×英語シリーズ)」が参考になるかと思います。
上記は、売れっ子中の売れっ子ガイド、島崎秀定さんの著書です。
男性ガイドさんが、いかにして通訳案内士の仕事を獲得していくのかヒントが満載でした。著者の島崎さんは効率的に、ロングツアー優先で引き受けておられるようです。
もしもロングツアーの就業が難しい場合は、通訳や翻訳で副業できると強いです。
ガイドをしていると通訳や翻訳依頼は、思いのほか多く舞い込むからです。(内容は旅行業に関わる傾向がある。観光地の通訳、パンフレットや案内板の翻訳など)
通訳ガイドと合わせて、副業的に何かできると収入が増えやすくなります。
そういった理由で、通訳と翻訳ができると男性でも食べていくのに有利です。
稼げる男性ガイド④通訳案内士の中に身を置く
稼いでいる通訳案内士の中に身を置くようにする
仕事の機会は仕事が集まる場所に多くやって来ますし、お金もまたビジネスチャンスがある場所に多く集まってくるからです。
人は環境に感化される生き物だと言います。
チャンスを掴んでいるガイドさんの姿を、実生活で目の当たりにすることで、自分がチャンスを掴む姿もイメージしやすくなります。
研修会や仕事の現場など、意欲的なガイドさんが多く集まる場へ参加すると良い影響を受けられるのではないでしょうか。
実際問題として仕事を依頼する立場だと、研修会や現場で頻繁にお見かけするガイドさんのほうが安心感もあります。
稼働可能の意志表示としても、通訳案内士の中に身をおくよう心がけたいものです。
稼げる男性ガイド⑤レスポンスは早めに
連絡がつきやすくレスポンスを素早くする
過去に何度か他のガイドさんへ、仕事依頼をしたことがあります。
その時に実感したのは、電話にせよメールにせよ、ご活躍の様子のガイドさんほど反応が早い傾向にあることでした。
問い合わせの電話が鳴って出られず、5分後に折り返すと他の人に決まっていた、というのは割とあることです。
経験豊富な通訳案内士ほどレスポンスの大切さを分かっていて、他者との繋がりや仕事のチャンスを取りこぼさない印象を受けます。
過去の経験ですが、ガイド紹介を頼まれた折に手間暇を費やして、通訳ガイドさんが見つからなかった時は本当に消耗しました。
同じような苦い思いを、ご依頼くださる取引先には、して頂かない方が良いです。
生計が立つまでの男性通訳案内士に有益なもの
ガイド就業してすぐに軌道に乗れば良いのですが、実際のところは生計が立つようになるまで少し時間が必要かもしれません。
そういった場合、下記のものがあると続けやすいかと思います。
生計が立つまで①仕事がなくても住める家
いざという時に住める家があるとよい
これは、家賃や光熱費といった出費が少ない家(実家・配偶者が所有・低コストの賃貸など)です。
通訳案内士はフリーランス就業で、軌道に乗っても収入の増減が激しい傾向にあります。
観光業という性質上、どんなに有能なガイドでも気候変動や社会情勢の影響を受けやすく、突如として仕事が途絶えるリスクと常に隣り合わせです。
病気になっても、会社が守ってくれるわけではありません。
そういった場合、無収入の時期に住める家(実家または維持費の負担が少ない家)などあれば、廃業の危機を避けやすくなります。
生計が立つまで②稼げない時も理解ある家族
男性ガイドでも家族の理解と協力は必須である
配偶者を持つ場合、自立心(できれば経済力)があるパートナーが最強だと思います。
ガイドの収入には浮き沈みがあり、家族を養うには不安定だからです。
「食える通訳案内士」などと書いておきながら、矛盾していると困惑されるかもしれませんが、わりと真実なのでお伝えしました。
一方で、通訳ガイドの仕事は忙しくなると家族との時間が持ちにくくなります。
移動が早朝や深夜になることも時々あり、宿泊を伴う仕事が続くと家を長い時間帯で空けなければなりません。
それでも通訳案内士の仕事を認めてくれる家族であれば、継続はしやすいです。
あるいは、未婚であれば制約が少なく、男性でも生計が立ちやすい場合もあります。
生計が立つまで③非常時の生活費1年分の貯金
不測の事態に備え生活費1年分の貯金があるとよい
稼げる男性ガイドになったとしても、いついかなる理由で仕事が途絶えるか予測不能ですし、急に仕事が来なくなっても貯金でしのげる場合もあるからです。
そこまでして稼げるガイドを目指すのは辛そうだな、と思いましたか?
参入障壁が高いのが逆にチャンスだと、考える手もありますが...
割りに合わないと感じて、参入を諦める通訳案内士(有資格者)の男性が多いのも事実ですね。
そいういった事情からか、20代~40代くらいの男性ガイドさんを地方の現場でお見かけしたことが殆どありません。
若手の男性ガイドさんを取り上げた図書では、「「観光ガイドになるには (なるにはBOOKS)」 が参考になります。※関東で年間稼働150日以上ある男性ガイドさんの特集ページあり。
わたしが現場でご一緒した男性ガイドさんは全て、他の収入源を持ちながら稼働されているようにお見受けしました。(兼業または定年後のガイド就業など)
裏を返すと、やはり通訳案内士は男性の職業として、成り立ちにくいのだと思います。わたしの活動範囲では、男性通訳案内士の割合は1割です。
というわけで稼げるガイドを目指すなら、不測の事態に備える蓄えがあると安心です。
生計が立つまで④通訳案内士とは別の引き出し
ガイドとは別の引き出し(スキルや人生経験・実績・強みなど)で独自性を出すとよい
2018年1月に政府が大きく舵を切って以来、副業解禁の流れが加速しつつあります。
通訳案内士についても、時期を同じくして無資格ガイドの就業が解禁になりましたね。
副業あるいは複業の流れは、今後さらに勢いを増すばかりです。
そういった局面で、引き出しを多く持つ人が時代の流れに乗りやすいのは間違いありません。
新しい時代を生き抜く通訳案内士になれるよう、ガイド+αの希少価値を高めて生計を立てたいものです。
生計が立つまで⑤少しだけ高めのITリテラシー
少し高めのITリテラシーがあるとよい
(※ITリテラシーとは…良識をもってコンピューターやインターネットを適切に使いこなすこと)
その方が、時流に乗りやすくなるからです。
将来的にITが世の中から無くなることは考えにくく、通訳案内士の仕事もまたIT技術の進歩とともに変遷していくことと思われます。
波に呑まれて翻弄されるのではなく、流れは上手く活用したいですよね。
そんな時、ITリテラシーが高いと、自らの人生をコントロールしやすくなります。
あるいは、通訳案内士自身にIT技術があれば、困っている別の通訳案内士の役に立つことができるかも知れません。
男性の通訳案内士であれば、その点は有利です。
他業界の話になりますが、現在のところITエンジニアに占める男性の割合は約8割と高く、年収アップを目指す20代~30代のプログラミング学習熱は年々高まっています。
英語とプログラミングは相性が良く、男性通訳案内士の自己研鑽にも良いです。
(もちろん、女性でもプログラミング学習は可能です)
空き時間に挑戦してみては、いかがでしょうか?
ということで、まとめです。
チェックリスト10
- 身心ともに強くて楽観的
- いつでもどこへでも行ける
- 仕事を選び過ぎない
- 稼げる通訳案内士が身近にいる
- レスポンスが素早い
- いざという時に住める家がある
- 家族の理解や協力がある
- 1年ほど暮らせる貯金がある
- 通訳案内士とは別の強みがある
- 少しだけ高めのITリテラシー
いかがでしたでしょうか。
あてはまる項目はありましたか?
気をつけながら、わたしも引き続き前進します。